沈没船が教える世界史
- 作者: ランドール・ササキ
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2010/12/21
- メディア: 新書
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海には自分たちの知らない世界がまだまだたくさんあると信じて疑わない。生物しかり、お宝しかり。で、本書が偶然目に留まったので、そりゃ買うしかない。著書は「水中考古学者」という肩書きがあるけど、この言葉は日本ではまだまだ馴染みが薄いのではないだろうか。この言葉も何となく興味をそそった。
本書では、大航海時代、ローマ時代から中国、日本などアジア沈没船を幅広くカバーしている。その中でも、特に興味深かったのは、日本。
日本で本格的に水中考古学が始まったのは、元寇終焉の地・鷹島の海底遺跡。かの有名な「神風」が吹いたのが、元のモンゴル軍2度目の襲来地鷹島で、近年、元の沈没船が発見されたことから、日本の水中考古学発祥の地になったらしい。
青銅器やパスパ文字の印形など見つかっているが、面白いのはアンカー。4つのアンカーが見つかっているというが、すべて南向きに打たれてあったという。つまり、これらの船が沈没したときに、強い南風(神風)が吹いていたのではないかという。興味はつきない。
ちなみに、第4章では沈没船発掘マニュアルが書いてある。すごい。興味はつきない。