先週末に「ダイアログインザダーク」に参加してきた。
http://www.dialoginthedark.com/

8人1組(僕が参加したときは4人1組)で約90分間の暗闇体験。グループのメンバーで助け合いながら、暗闇の中に現れる日常の空間を触(杖)、音、匂いなどの視覚以外の情報を頼りに体験していく。今回はお正月バージョンで、暗闇の中、初詣をしたり、年賀状を書いたり、おみくじを引いたり、お茶を飲んだり。スタッフの方も優しく気さくな方ばかりで、視覚障害者のガイドの方の話し方もうまく、心落ち着くばかりでした。

HPに記載してあるように、「まっくらな中で五感をとぎすます」の言葉がぴったり。視覚以外の感覚をフル活用し、普段の日常の生活ではなかなか意識できない感覚を研ぎ澄ます場。視覚から入る情報の影響度の高さを改めて実感するとともに、視覚以外の情報(音、手触り、匂い、味)を研ぎ澄ますことで、何か別の感覚を持つことができるように感じた。

視覚の情報は偉大だ。逆に言えば、普段の生活で視覚以外の情報をあまり意識していないとさえ感じた。視覚情報がないことにより、気づかされることが多かった。

例えば、何も見えないまま歩くので、参加者とぶつかったりする。そのときに、「○○さん、すみません!」と名前とともに一言掛け合うことがルール化されている。(事前にガイドさんからこのように指示を受ける。○○は名前)他にも「○○、今座っています」、「○○、杖を落としました」などのように一つ一つの行動に対し、しゃべりながらアクションを取る。

企業なんかでも、ちょっとしたコミュニケーションが少なくなっているのは事実で、「ありがとう」や「すみません」っていう言葉すら掛けられない人もいる。それにより、チームとして機能していない原因になっている場合もある。改めてコミュニケーションは大事なんだなあ、と。こうしたちょっとしたコミュニケーションを大事にしていきたい。

また、「純度100%の暗闇だと、目が慣れてくることはない。いくら時間が経ってもずっと暗闇のままなんです。」とスタッフの方が語ったのも印象的だった。言葉としては当たり前のことなんだけど、この言葉を聞いたときに、「直島の暗闇アート(ジェームズタレル)」のことを思い出した。あのときは、「最初、真っ暗闇の中で目が慣れてくるにしたがって、奥の方から光が見えくる」ような体験(これも衝撃的だった)だったが、このダイアログインザダークもこれに似た感覚だと参加する前は思っていた。

しかし、この言葉の通り90分間ずっと真っ暗。自分が目を開けてるのか閉じているのかもわからない感覚。聴、触、嗅、味をフル活用する。「暗闇=恐怖」というイメージはまったくない。人間は何か一つが欠けると圧倒的な集中力を発揮するのかもしれない。

日常に「真の暗闇」ってないんだなとも実感した。どこにでも光はあるのだ。日常のストレスを発散させてくれ、かつ新しい価値観を生み出してくれた。非日常のすばらしい体験に感謝。

自分の新しい価値観を生んでくれた体験なので、今後も参加したいし、何か役立てればなとも思う。
何が役立てるんだろうか。まずはそこから考えよう。